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第10号 会社を設立して悪用できるの?法人格否認の法理 Part1

Y会社は、Xさんから建物を賃借していました。

そして、その建物の一部で電気器具の販売店を営み、その他の部分にY会社の代表取締役
であるAさんが居住していました。つまり、1軒の建物を借りて1階部分で商売をして、
2階に自分が住んでいたということです。

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知ってて得する法律知識!実際の判例から解説! 第10号 2005・5・6
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■ はじめに ■

みなさん、こんにちわ。知ってて得する法律知識!実際の判例から解説! 第10号です。

今回は、本題に入る前に少し、友人の発行しているメルマガを紹介したいと思います。み
なさんの中に、もしかすると行政書士の資格を取ろうかなぁと思っている人もいるかもし
れません。そういう人には特におすすめです。

「社会人『行政書士試験』独学1発合格ノウハウ!」というマガジンです。最近の行政書
士試験はかなり難しくなってきており、独学での合格はきびしくなってきました。しかし
、過去問・条文や重要なポイントさえ抑えておけば、社会人の方でも独学で合格すること
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なぜ、こう言い切れるのかといえば彼自信が法律のド素人にもかかわらず、1年の勉強で
行政書士試験に一発合格しているからです。たった1年で立派な法律家となり現役の行政
書士としてバリバリと活躍している彼が、どうやって1年で一発合格を果たすことができ
たのか、その秘訣をぜひ彼のメルマガから盗んでください。

▼登録はこちら⇒  http://www.mag2.com/m/0000141693.htm

■ アンケートにご協力をお願いします。 ■

今回は、第10回ということで、少しだけアンケートを実施いたします。どうか、ご協力
をお願いいたします。最下部にクリックするだけのアンケートが一問だけありますので、
よろしくお願いいたします。

さて、それでは本題に入りたいと思います。今日は予告どおり、会社に関する判例の紹介
です。会社に関する判例なので商法の話になります。

最高裁判所の昭和44年2月27日の判例です。

会社の経営をされている方は、よく読んでください!!!それでは行きましょう!!

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■ 事件の概要 ■

Y会社は、Xさんから建物を賃借していました。

そして、その建物の一部で電気器具の販売店を営み、その他の部分にY会社の代表取締役
であるAさんが居住していました。つまり、1軒の建物を借りて1階部分で商売をして、
2階に自分が住んでいたということです。

ただ、Y会社は、実質的にはAの個人企業であり、税金対策上会社形態にしていたにすぎ
ませんでした。

その後、いろいろな事情があり、XがAに対して明渡請求訴訟を提起し、その係属中にX
A間でAが建物を明渡す旨の和解が成立しました。

ところが、和解成立後、Aが、和解したのはAであってY会社ではないから会社が使用し
ている1階部分は明渡さないと主張したため、XがY会社に対して建物明渡を請求した事
案です。

■ 争点 ■

個人名義でなされた取引であっても、実質的には会社と個人が同じと考えられるような場
合、直ちにそれを会社の行為であると認めて、明渡を請求できるか。

■ 結論 ■

本件訴訟上の和解は、A個人名義にてなされたにせよ、その行為はY会社の行為と解し得
るので、直ちに会社の行為であると認めて明渡請求ができる。

■ 解説 ■

さて、どうでしょう。何が問題になっているのかわかるでしょうか。会社の事を少しくら
い知っている人なら分かると思いますが、そうでない人もいると思うので、説明します。

会社というのは、法律上は「法人」といい、一人の人間が存在しているのと同じように扱
われるのです。これが会社を作る大きなメリットです。

本件でいえば、Y会社は実質的にはAさんが一人で経営しているので、Aさん=Y会社、
というように思えるのですが、法律上はAさんとY会社というのは、別の人間として扱わ
れているのです。イメージとしては、「Y会社さん」という人間がいるのだと考えるので
す。

とすれば、本件ではAとXの間で、裁判上の和解が成立しています。和解というのは、民
事訴訟法267条で判決と同一の効力がありますので、当然Aさんは建物を明渡さなけれ
ばなりません。これは、争いがありません。

しかし、「やっぱり、商売ができなくなるから明渡すのが嫌だ!」とAさんは思ったわけ
です。

そこで、Aさんはこんなことを言ったわけです。

「確かに、和解は成立した。でも、和解をしたのは、AとXであって、Y会社は和解など
していない。だから、Y会社には和解の効力は及ばないから、Y会社が使っている1階の
部分は明渡す必要がない。」

さきほど、言ったように会社は、「法人」といって一人の独立した人間です。だから、A
さんの言っていることは論理的にはスジが通っているように思えます。

しかし、判例はこれを否定しました。まぁ、当然ですよね。

ただ、論理的にはAさんの言っていることは正しいですよね。じゃあ、判例はどういう論
理で否定したのでしょう。

それは、法人たる会社の形式的独立性を貫くと正義・衡平に反する結果となる場合に、特
定の事案に限って会社の独立性を否定し、会社とその社員を同一視する、という考え方を
使ったのです。

本件でいえば、Y会社とAさんを同一人物だとしたうえで、AX間の訴訟上の和解の効力
がY会社にも及ぶとして、Y会社も建物を明渡さなければならない、としたのです。

これを、法人格否認の法理といいます。

■ 最後に ■

判例は、実際にあった事件ですので、その背後に人間ドラマがあって、ほんとにおもしろ
いです。

今回の事件を見てても、「Aさん、よくそんなこと考えついたねぇ。」って感心しますよ
ね\(^_^)/

今回の判例が使った理論を、「法人格否認の法理」というのですが、「法人格否認の法理
」にも2パターンあって、今回のパターンが形骸化事例というものです。

つまり、会社とは名前だけで、実質的には個人商店と変わらないという場合です。

そして、もう一つが濫用事例というパターンです。これを次回に紹介したいと思います。
「みんな、よくそんなことを考えるなぁ」、とある意味感動してしまうような事件がほん
とに多いです。

次回の判例は、会社と取引していて、相手が倒産して債権が回収できなくなりそうだ!と
いう人は必ず読んでください。うまく回収できるかもしれませんよ\(^_^)/

それでは、次回もお楽しみに!!


■ 編集後記 ■


まだまだ、メルマガに関して未熟な私が今回で10号を発行することができました。これ
からもっと、メルマガについても法律についても勉強してみなさまの役に立つマガジンを
発行できるように努力してまいりますので、応援をよろしくお願いいたします。

秀丸エディタというソフトを使おうか迷っています。もし、使っている方がいらっしゃれ
ば感想などをいただければうれしいです。

どうでもいいのですが、「ひでまる」と読むそうです。


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■ 注意 ■

このメルマガは実際の判例を素材にしていますので、もっと詳しく知りたいという方は最
高裁判所のホームページを見れば紹介されていますので、見てみてください。星の数ほど
判例はあるので検索するのに苦労するかもしれませんが・・・。

ここで紹介している判例は、発行当時のものです。法律は生き物ですから、難しい解釈が
されたり、判例変更がされている可能性もありますので、自分の責任で判断してください
。また、同じ事件など存在しないので、すべての場合にこのメルマガで紹介している判例
の結論になるわけでもありません。あくまで、参考にということでお願いします。


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