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第23号 被告人Xは暴力団松本会系安藤組の若頭補佐であるが・・・

暴力団幹部である、被告人Xが、組員Y・Zと共謀して傷害事件を起こしました。
そのため、検察官は裁判にかけるために起訴状を裁判所に提出しました。その起訴状の冒
頭に、「被告人Xは暴力団松本会系安藤組の若頭補佐であるが・・・」と記載されていま
した。

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知ってて得する法律知識!実際の判例から解説! 第23号 2005・6・7
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---------- 目次 --------------------------------------------------------

1、第1章  はじめに
2、第2章  おすすめメルマガ
3、第3章  本題
      (事件の概要、争点、結論、解説、最後に、今日の得する法律知識)
4、第4章  おすすめサイト
5、第5章  編集後記
6、第6章  注意

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■■  第1章 はじめに  ■■


みなさん、こんにちわ。

前回は、インターネットテレビを紹介しました。どうだったでしょうか。ある程度は満足
することができたのではないかと思います。氏名などの個人情報などの登録をせずに無料
で見ることができるのがいいですよね。

これから、ああいう質の高いサイトがどんどん登場してくると予想されます。また、おす
すめのサイトがあれば、どんどん紹介していきたいと思います。


■■ 第2章 おすすめメルマガ ■■


さて、今回も本題に入る前に、おすすめのメルマガを紹介したいと思います。もちろん無
料のメルマガです。

今回も、このメルマガを読んでいただいている読者のみなさまに心からおすすめできるメ
ルマガです。このメルマガの読者の方の中にも宅建を受験されている方がいるのではない
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■■ 第3章 本題 ■■


さて、それでは本題に入りましょう。今回紹介する判例は、刑事訴訟法の判例です。
冤罪という言葉を聞いたことがあるでしょうか。無罪なのに、捜査機関のミスで、濡れ衣
を着せられることを冤罪(えんざい)といいます。

そんなことがあるのか、と思う方もいるかもしれませんが、ごくまれにあるようです。絶
対にあってはならないことなのですが、捜査側も人間ですから、ミスをすることがあるの
は仕方のないことです。

ですから、冤罪をできる限り防止するための法律が必要です。それが刑事訴訟法なのです。
最近の有名な冤罪になりかけた事件としては、長野県で起きたサリン事件です。今は、サ
リンによる大量殺人の容疑で、オウム真理教の人たちが次々と裁判にかけられて死刑判決
が続出しています。

でも、みなさん覚えているでしょうか。あのとき、最初に疑われたのは、オウム真理教で
はありませんでした。一人の老人が、農薬を調合して毒ガスを生成したとして、疑いをか
けられていました。

その時から、その老人の穏やかな生活が粉々に粉砕されたのはいうまでもありません。毎
日、マスコミが犯罪者扱いをして、テレビで報道していました。何もしていないのに、犯
罪者扱いをされ、テレビで大量殺人の犯人として報道されました。あの時、ほとんどの国
民があの老人が大量殺人の犯人だと信じていました。

冤罪は絶対に起きてはいけません。そのために、刑事訴訟法にはいろいろな規定が設けら
れています。その一つとして「起訴状一本主義」というのがあります。今日は、その「起
訴状一本主義」
を紹介したいと思います。

昭和57年の大阪高判の判例です。


■■ 事件の概要 ■■


暴力団幹部である、被告人Xが、組員Y・Zと共謀して傷害事件を起こしました。
そのため、検察官は裁判にかけるために起訴状を裁判所に提出しました。その起訴状の冒
頭に、「被告人Xは暴力団松本会系安藤組の若頭補佐であるが・・・」と記載されていま
した。


■■ 争点 ■■


起訴状に「被告人Xは暴力団松本会系安藤組の若頭補佐であるが・・・」と記載すること
は、起訴状一本主義(刑事訴訟法256条6項)に反するか。


■■ 結論 ■■


起訴状一本主義に反するとはいえない。


■■ 解説 ■■


まず、「起訴状一本主義」という言葉を説明しないといけません。

「起訴状一本主義」は刑事訴訟法の256条6項に規定されていますので見てみましょう。
256条6項
「起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添付し、
又はその内容を引用してはならない。」

なんの事かさっぱりわからないと思います。

それでは、説明します。まず、犯罪を犯した人が警察官に逮捕された場合、48時間以内
に検察官に送致されます。その後、検察官が起訴するかどうかを判断します。そして、検
察官が、起訴すれば裁判となります。もし、ここで検察官が起訴しなければその場で釈放
となり、裁判にはなりません。

その検察官が裁判を始める時に裁判所に提出するものを起訴状といいます。そして、この
起訴状には、裁判官に予断を生じさせる危険のあるものは記載してはいけない、というの
が起訴状一本主義なのです。

どういうことかといえば、裁判官は全く何もしらない状態で裁判に臨むことになります。
そして、裁判の中で検察官側と被告人・弁護士側が攻撃・防御を繰り広げます。その一連
の攻撃・防御を見て裁判官は、「こいつは有罪だな」とか、「こいつは無罪じゃないか」
とか考えて、最後に判決をくだすわけです。

とすれば、裁判の始めに検察官が提出する起訴状に、すごく細かくどんな犯罪をしたかと
いうことが書かれていれば裁判官はどう思うでしょうか。裁判が始まる前から「こいつは
犯罪をやったんじゃないか。」と思ってしまいますよね。

このように、始めから「こいつは犯罪をやったんじゃないか。」という予断を持ってしま
えば、公平な判断ができなくなってしまいますよね。

これは、探し物をする時のことをイメージすれば分かると思います。「確かに、ここにペ
ンを置いたはずなんだけど、どこにいったんだろう。」と考えて、自分が置いたと思い込
んでいる場所ばかりを探してしまいます。でも、実際はそんな所にはなくて別の所で、ペ
ンが見つかったというような事はよくあります。

人間は、思い込んでしまうと、そこばかりに気持ちが行って他の事に目が行かなくなって
しまう
ものなです。

裁判官も、それと同じで、裁判が始まる前から「こいつは犯罪をやった。」と思い込んで
しまえば、いくらその人が実は無罪であったとしても、そっちの方に意識が行かなくなっ
てしまって、冤罪が起きてしまう危険が高いのです。

それを避けるためには、起訴状には必要最低限の事しか記載してはならず、必要のない事
は記載してはならないのです。これを「起訴状一本主義」といいます。最初に提出するの
は起訴状だけで、それ以外の余計な書類は提出してはいけないということで、こういう名
前がついています。

さて、それで本件ですが、起訴状には「被告人Xは暴力団松本会系安藤組の若頭補佐であ
るが・・・」という記載がありました。

これを見ればどう思うでしょうか。「暴力団の若頭補佐」と聞けば、何かイメージ的に犯
罪をしてそうですよね。それを、裁判の始めに裁判官が読めば、「ああ、暴力団か。犯罪
をやってそうだな。」と思ってしまう危険があるのです。

そして、裁判官がそう思い込んでしまえば、さきほどのように冤罪になってしまう危険が
一気に増えます。

ですから、この記載が起訴状一本主義に反するのではないかという事で、争われたのが本
件なのです。

ただ、裁判所はこれくらいの記載では、起訴状一本主義には反しないと判断しました。

その理由は、この事件は共犯がいた事件だったのですが、その共犯と被告人がどういう関
係だったのかという事がとても重要なポイントだったようで、その関係を明らかにするた
めには、被告人がどういう人物なのかを最初に特定する必要があったから、ということの
ようです。

つまり、ただの一般の人の集まりが傷害事件を起こしたのであれば、それは突発的な事で
計画的なものとはいえないと考えることもできるけど、暴力団となれば、犯罪を犯すため
に結束が硬く、計画的に犯罪を犯したと考えることができるので、重く処罰するべきだと
も考えられるので、そういう意味で、被告人がどういう人なのかを特定する必要があるか
ら、その程度の記載は仕方のないことだと考えたようです。

よくわかりませんが、そんなものなのかなぁ、という感じです。少し難しい理由です。


■■ 最後に ■■


今回は、判例の解説より、起訴状一本主義の説明の方が長くなってしまいました。
「そういう制度があるのか。」ということだけでも分かっていただければうれしいと思い
ます。

刑事訴訟法は、一般の感覚と少しずれている部分が多い法律だと思うので、また判例とは
関係なくても、少し説明したいと思います。

「逮捕された」=「犯人だ。有罪だ。前科者だ。」と思っている人も多いようで、それは
大きな間違いなので注意してください。

他にも、政治家などは、保釈金を積めば刑務所に行かなくてすむ、と勘違いされている方
もいるようです。

また、次の機会にでも簡単に説明したいと思います。

もっとも、そういうイメージを持たせるのは、マスコミの責任だと私は思っていますが・
・・。


■■ 今回の知ってて得する法律知識 ■■


冤罪を防ぐために、起訴状一本主義という制度が採用されています。


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■■ 第4章 おすすめサイト ■■


最近、私はアロマキャンドルにはまっています。夜に電気を消して、キャンドルをつけて
音楽でも聴けばすごくリラックスすることができます。今の時代は、ほんとにストレスが
知らず知らずの間に蓄積されて体を壊すことが多いのです。

寝る前や、朝に少しだけでもキャンドルのいい香りと音楽でリラックスすると全然生活が
変わります。仕事で忙しくて買いに行く時間がない方でも、今はインターネットで気軽に
買うことができるので一度試してみてください。

精神的に疲れると、体にも影響することは間違いないですからね。アロマキャンドル専門
店でいろいろな形や色、香りのものがそろっているので、おすすめのサイトです。

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癒し通りのキャンドル屋さん


■■ 第5章 編集後記 ■■


刑事訴訟法は、みなさんにも興味を持ってもらえるのではないかな、と思っています。
よく警察官が検問をしていますよね。忙しいのに、停車させられて免許証を見せられて、

なんで、そんなことに付き合わなければいけないのかとか、思いますよね。あれも、刑事
訴訟法の話です。実は、自動車検問は、根拠となる法律がないから許されないという説も
あります。

その説に立てば、検問で警察官に止められても、一切応じる必要はなく、無視すればいい
ということになります。

また、この話も紹介したいと思います。


■■ 第6章 注意 ■■


このメルマガは実際の判例を素材にしていますので、もっと詳しく知りたいという方は最
高裁判所のホームページを見れば紹介されていますので、見てみてください。星の数ほど
判例はあるので検索するのに苦労するかもしれませんが・・・。

ここで紹介している判例は、発行当時のものです。法律は生き物ですから、難しい解釈が
されたり、判例変更がされている可能性もありますので、自分の責任で判断してください
。また、同じ事件など存在しないので、すべての場合にこのメルマガで紹介している判例
の結論になるわけでもありません。あくまで、参考にということでお願いします。


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