第28号 高級リゾートマンションに関する判例
甲会社は、不動産の売買等を目的とする株式会社であり、兵庫県佐用郡に別荘地を開発し
、いわゆるリゾートマンションである佐用コンドミニアム(以下「本件マンション」とい
う)を建築して分譲するとともに、スポーツ施設である佐用フュージョン倶楽部(以下「
本件クラブ」という)の施設を所有し、管理していました。
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知ってて得する法律知識!実際の判例から解説! 第28号 2005・8・23
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★★発行者サイト 資格キング http://www.shikaku-king.com/ 管理人:レイ★★
---------- 目次 --------------------------------------------------------
1、第1章 はじめに
2、第2章 おすすめメルマガ
3、第3章 本題
(事件の概要、争点、結論、解説、最後に、今日の得する法律知識)
4、第4章 おすすめサイト
5、第5章 編集後記
6、第6章 注意
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■■ 第1章 はじめに ■■
みなさん、こんにちわ。毎日暑い日が続いております。こんな日はリゾート地でゆっくり
過ごしたい気分になりますね。
でも、世の中は選挙の話題で持ちきりです。私も、今回は、ある候補者を応援することに
なりました。今日、さっそく事務所に行ってきて、久しぶりに候補者本人と少しだけ話し
をしましたが、ほんとに立派な人でした。
ぜひ、当選できるようにできるだけの手伝いをさせていただくつもりです。
みなさんも、誰に投票するかは、自由ですが、必ず投票に行って自分の権利は行使しまし
ょうね。
さて、今日は、リゾートマンションに関する判例を解説したいと思います。
最高裁判所平成8年11月12日の判決です。
ただ、この事件は、全部を説明すると非常に複雑な事件になっています。ですから、でき
るだけシンプルに説明したいと思います。実際に問題となった事件とは、少し異なる部分
があるかと思いますが、争点はしっかり抑えて説明するつもりなので、その点はご了承く
ださい。
■■ 第2章 おすすめメルマガ ■■
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■■ 第3章 本題 ■■
さて、それでは始めましょう。さきほどもいいましたように、最高裁判所平成8年11月
12日の判決で、リゾートマンションに関する判例です。
■■ 事件の概要 ■■
甲会社は、不動産の売買等を目的とする株式会社であり、兵庫県佐用郡に別荘地を開発し
、いわゆるリゾートマンションである佐用コンドミニアム(以下「本件マンション」とい
う)を建築して分譲するとともに、スポーツ施設である佐用フュージョン倶楽部(以下「
本件クラブ」という)の施設を所有し、管理していました。
そして、乙さんは、甲会社と本件不動産の売買契約をすると同時に、本件クラブの会員権
契約も同時に締結しました。
そして、そのスポーツクラブの会員権契約の際に、スポーツクラブの広告などには、テニ
スコート、屋外プール、サウナ、レストラン等を完備して、さらに、屋内プールも建設す
るということが書いてありました。
しかし、いつまで経っても、甲会社は屋内プールの建設をしようとしません。そこで、乙
さんは、本件契約を解除しました。
■■ 争点 ■■
2つの契約がある場合に、一方の契約に債務不履行がある場合、他方の契約についても解
除することができるか。
■■ 結論 ■■
二個以上の契約から成る場合であっても、それらの目的とするところが相互に密接に関連
付けられていて、社会通念上、いずれか一方の契約が履行されるだけでは契約を締結した
目的が全体としては達成されないと認められる場合には、一方の契約の債務の不履行を理
由に、その債権者が法定解除権の行使として他方の契約も合わせてを解除することができ
るものと解するのが相当である。
■■ 解説 ■■
さて、かなり内容が複雑なので、まず整理しましょう。
まず、本件では、2つの契約があるということが分かるでしょうか。
マンションの売買契約と、スポーツクラブの会員権契約ですよね。これらは別々の契約で
すから、本件では甲会社と乙さんの間では、2つの契約がなされたことになります。
これをまず、しっかりと理解してください。
そして、乙さんは、契約を解除しようとしています。これは、民法541条が根拠になっ
ているのですが、いわゆる債務不履行解除というものです。
本来、一度成立した契約は解除なんてすることはできません。でも、相手方が契約を履行
しない場合にまで解除できなければ、それはまずいですよね。
ですから、相手方に債務不履行があったとすれば、解除することができることを541条
は規定しているのです。
とすれば、乙さんが本件の契約を解除することができるためには、甲会社に債務不履行が
なければならない、ということになります。
ここでポイントは、乙さんは、スポーツクラブの会員権契約だけでなく、マンションの売
買契約の方も解除したいと思っているわけです。
そりゃそうですよね。リゾートマンションなんだから、マンションだけ買ってもあまり意
味がないですから。
じゃあ、甲会社に債務不履行があるのでしょうか。2つ契約があるので、一つずつ考えて
いきましょう。
まず、スポーツクラブの会員権契約の方です。スポーツクラブの会員権契約をする際の広
告には、屋内プールが建設されると書いてありました。
ということは、甲会社は屋内プールを建設する債務を負っていることになります。しかし
、いまだに屋内プールを建設していない。
これは、明らかに債務不履行です。したがって、スポーツクラブの会員権契約の方は54
1条で解除することができます。
では、マンションの売買契約の方はどうでしょうか。マンションの売買契約によって、甲
会社が負う債務は、当然ですが、マンションの引渡しですよね。それで、事例の所では紹
介しませんでしたが、甲会社は乙さんに、マンションの引渡しをしています。
ということは、マンションの売買契約の方は、甲会社に債務不履行はない、ということに
なります。したがって、マンションの売買契約の方は541条で解除することはできない
ことになります。
しかし、ちょっと考えてみてください。マンションの売買契約を解除できないとなると、
スポーツ施設を利用できないのに、マンションだけあるということになります。しかも、
リゾートマンションです。リゾートマンションでスポーツ施設が使えなければ、マンショ
ンを買った意味がないですよね。
これは、非常に不都合です。しかし、原則論から考えると当然の結論なんです。
なぜなら、例えばみなさんが、車を買ってきたとします。そして、また別の日に、家を
買ったとします。
その後、車をいつまでたっても引き渡してくれないので、解除しようと考えました。その
時に、同時に家の売買契約も解除できるかというと、できませんよね。
2つの契約は別々なのですから、当然です。本件もそれと一緒です。
ただ、本件は2つの契約ではあるけれども、実質的には、1つの契約とも考えられます。
すなわち、リゾートマンションを買った目的は、スポーツ施設を利用するためなのであり
、2つの契約をまとめてはじめて、目的を達成できるという関係にあるわけです。
そこで、最高裁判所はこう言いました。
「確かに、2つの契約があり、一方に債務不履行があったからといって、他方の契約まで
解除することができないのが原則である。
しかし、2つの契約の目的とするところが相互に密接に関連付けられていて、社会通念上
、いずれか一方の契約が履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成され
ないと認められる場合には例外的に、両方の契約を解除することができますよ」
こうやって、法律というのは、解釈で、うまく妥当な結論を出しているわけです。
法律家は、頭が固いと思っている人が多いみたいですが、こうやって、悪く言えば、法律
を解釈でねじ曲げてでも、しっかりとした妥当な結論を導き出しているのです。
「売買契約の方には債務不履行がないから、541条による解除はできません。」以上。
という結論を出すことは、はっきり言って誰にでもできます。541条にそう書いてある
のですからね。
でも、そこからもう一歩進んで、解釈で妥当な結論を出す、という事ができるかどうかが
プロの法律家と素人の差なのでしょう。
■■ 最後に ■■
今日、紹介した事件はほんとうに他にもいろんな問題があるのですが、重要な争点に絞っ
て解説しました。
こういう、原則論とは違う結論が出ることがあるのが、法律の難しさでもあり、醍醐味で
もあります。
たまに、法律の勉強をしたことがない人でも六法を読んでいる人がいますが、六法だけ読
んでいても、あまり意味がないので気をつけましょう。
六法に書いてあることと、違う結論が出ている判例なんていくらでもありますからね。
ぜひ、何かトラブルがあった時には、自分で解決しようとせず、プロの法律家に相談しま
しょう。
■■ 今回の知ってて得する法律知識 ■■
別々の契約でも、一方の債務不履行を理由に、他方の契約も解除できる場合がある。
(参照条文)
民法541条 (履行遅滞等による解除権)
当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履
行を催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができ
る。
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■■ 第4章 おすすめサイト ■■
最近は、携帯電話の機能もよくなってきたので、携帯電話でサイトを見ることが増えてき
たと思います。
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■■ 第5章 編集後記 ■■
選挙の話ばかりですが、今回の選挙はほんとにおもしろい選挙になると思います。
おそらく投票率もかなり上がるでしょうし、その浮動票の行方が結果に大きく影響すると
思われます。
選挙に今まで行ったことのない人は、その理由を「自分が行っても何も変わらないから。
」と言います。
でも、今回の選挙は違います!!今まで選挙に行ったことのない人のほとんどが浮動票に
なるわけですが、今回の選挙は特にその浮動票が選挙の結果に大きく影響するのです。
日本を変える最大のチャンス!!自分の意見を政治に反映させることができる最大のチャ
ンス!!が今回の選挙です。
■■ 第6章 注意 ■■
このメルマガは実際の判例を素材にしていますので、もっと詳しく知りたいという方は最
高裁判所のホームページを見れば紹介されていますので、見てみてください。星の数ほど
判例はあるので検索するのに苦労するかもしれませんが・・・。
ここで紹介している判例は、発行当時のものです。法律は生き物ですから、難しい解釈が
されたり、判例変更がされている可能性もありますので、自分の責任で判断してください
。また、同じ事件など存在しないので、すべての場合にこのメルマガで紹介している判例
の結論になるわけでもありません。あくまで、参考にということでお願いします。
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